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[pass:801]いこおきちゅうss

「嘘や嘘やと思うとったけどさすがにもう、そう断言するには無理あるやろな。」

「……。」

「おまえ、俺のことすきやろ?」

そう問われて、隠岐は正に開いた口が塞がらなかった。

「あっ、……」

何か言いたいが、言葉が出てこない。

「俺は水上にもあの海にすら鈍い鈍い言われとったけど、さすがにバレバレやで。」

「っ、……」

隠岐の瞳に涙が浮かんだ。

隠岐自身、生駒に気づかれているとは考えていなかったのだ。

幸い、他のチームメイトは先に作戦室を出ている。

生駒が先に帰したようだった。

「別に、おまえを責めたいわけやないねん……。」

濡れた頬をその指で拭われると、また涙が溢れた。

「せっ、せやけど迷惑でしょ?おれ、イコさんのことすきやけど、イコさんがヘテロなんは痛いほど知ってます……。そんでも、気持ちだけはどうにもならんのですわ。」

生駒はただ黙って隠岐の言葉に耳を傾けている。

「おれ、どないすればええですか?ボーダーはさすがに辞められへんけど、チームなら抜けられるかもしれへん……誰かにかけあって……」

「何勝手に話進めとんの?そこ座り。」

珍しく生駒が少し怒った様子を見せたので、隠岐はびくりと肩を震わせる。

そして勧められた席に、大人しく座った。

うつむく隠岐の正面に生駒が座ると、生駒はやっと口を開いた。

「最初な、水上が俺に言うてきてん。『何や隠岐の様子おかしないですか?』って。そん時は何とも思わへんかってんけど……だんだんとその意味が俺にも理解できてん。おまえ他の奴には飄々と対応するくせに、俺と喋るときだけ何か堅いし、最初は嫌われとんちゃうか?って思うて見とったら、多分逆やなって。彼女3人くらいいそうな顔しとるし、たまに連絡取れへんときあるし、俺も最初は嘘やんって思うててんけど……そんな中、核心を得たのは先週や。」

「先週……ああ、あんときはほんまに油断してて……」

「少し手ぇ触れただけで反射的に引っ込めて、何や顔赤くしとったやん。おまえもかわいいとこあんねんな。」

隠岐は深く息を吸い、そして一気にまくしたてた。

「女子みたいな反応してしもうて、ほんますんませんでした。今後はなるべく態度に出さへんようにしますから、せめて次の移動先が決まるまで、ここに置いてもらえませんか?」

「おまえもたいがいせっかちな奴やな。俺の話はさせてくれへんの?」

「へ?」

隠岐は自分の感情を責められていると思い込んでいたが、違っていたようだ。

「おまえやったら、俺やなくても相手には不自由せんやろ……そう思うて、最初は断ろ思うててんで?せやけどおまえほんまに俺のことすきやし、断ったらさっきみたいなこと言い出すんやないかとは思うててん。あ、でも別に同情したから付き合うとかそういう話やないねん。おまえがずっと俺のことすきやすきや~~~って態度で示してきてるの見てたら、男相手で何があかんかったんやろ?って俺も思うて……」

「は??」

「せやから、そのな、……」

「イコさん、女の子がすきやって言うてたやないですかっ!?」

「せやな。女の子は今もすきやで。みんなかわええからな。」

「せやったらおれのことなんて無視して、早よかわいい彼女作ってくださいよ。」

「無視って……何?隠岐は俺に彼女作って欲しいんか?」

「……そんなわけないやないですか。」

「さっきから何?俺責められとんの??」

「責めてへんですよ。」

隠岐は、珍しく始終テンパった様子を見せていた。

こんな展開は一切予想してなかったからだ。

「何ならちゅうくらいしとくか?」

「は?何言うてっ、……んっ……」

触れるだけの一瞬のキスだったが、隠岐が茹でだこになるには充分だった。

「はっ、はやっ!!展開はっやっ!!」

隠岐は思わず唇をおさえて、後ずさる。

「あかんかったか?何や男相手も難しいやん……あ、相手が隠岐やから難しいんか?」

「何言うてっ、……」

生駒は隠岐の手首をつかみ、その身体を引き寄せた。

「わっ!?」

「もっかいしてみるか?」

「……はい……」

急にマジに問われたら、もう「はい」としか言えない隠岐だった。

***

いつ書いたのかすら忘れてたssを発掘したので載せておきます。
人の好意を無下にできない生駒達人、すきです♡♡
いこおきいこssまとめを入院前には上げておきたいですな。